matsuさんプロフィール

ーー自己紹介からお願いいたします。

出身は兵庫県の西宮だったのですが、結婚後宝塚に移り住みました。仕事は大阪のデザイン事務所でコピーライターをしています。企業の広報誌や社内報の編集や取材が主な仕事内容になります。また、趣味でブログを書いています。

 

ーーブログの文章も日常の内容から創作ものまで幅広いですよね。
最初の頃は日常を綴っていたのですが、7年前に東日本大震災があった時、いつものように自分の心情や思ったことを普通に書こうとすると書けませんでした。精神的にも大きなショックを受けていたのだと思います。しかし、試しにフィクションにしてみたら最後まで書くことができたので、そこから小説を書き始めました。

 

ーー文学フリマにも積極的に参加されているようですが。

大阪と京都の文学フリマに出店しています。

 

ーー休日はどのように過ごされていますか。

休日も仕事をしていることが多いです(笑)仕事が無い日は本を読んでいることが多いですね。

 

ーー好きなジャンルはありますか。

小説を書くようになったのもあり、昔に比べて小説を読むことが増えました。

 

ーー元々創作活動をやってみたいという思いはあったのでしょうか。

20代の頃はあったのですが、30代になり仕事以外でそういった気持ちはほとんど無くなっていました。ただ、ブログが普及して来た時に日記の代わりに書いてみよう、身近な人に見てもらえればいいやという気持ちで書いてみました。結果的にそれが小説を書くことに繋がったという感じですね。

 

ーー短編集『悲しくはない』を読ませていただきましたが。14編もの作品が掲載されていますね。

冒頭のアイスコーヒーという作品が本当に一番最初に書いた作品です。その他、全体的な並びは時系列というわけではなく、ブログにエントリーした中からピックアップして、自分なりに同じ系統のものが固まらないように選びました。

ーー生死、恋愛がテーマの作品が多いと思いますが。

書いているときは意識していないのですが、書きたいこと、書きやすさといった面で内省的なテーマが多くなっているのかなと思います。他にも作品集を出しているのですが、主人公や語り手が女性が多いんですよね。僕自身は男性ですが「僕」「俺」という一人称だと書きづらくて、女性目線にすると書きやすいというのがありますね。

 

ーージャンルは純文学的だと思いますが、登場する女性の主人公にご自身の体験や感情を投影されているということはありますか。

あると思います。僕自身が男性として一人称で出て来てしまうと、自分と距離を置いて客観的に表現できないのではないかといった思いがありました。そして、たまたま初めに女性視点にしたらスラスラ書けたんです。自分でもよくわからない部分もあって、もしかしたら自分の中に女性的な資質があるのかもしれません。

 

ーー表紙のイラストや挿絵も素敵ですよね。

ありがとうございます。こちらは古くからお付き合いしている、森元暢之さんという漫画家さんに直接お願いしました。

 

ーー『悲しくはない』で特に読んで欲しい、おすすめの作品等はございますか。

最後から三番目の「メロディー」という作品です。子どもの頃から少年漫画だけでなく少女漫画も好きでした。少女漫画の世界観への憧れみたいなものがあって、絵は描けないので、文章で書いたちょっとファンタジックな少女漫画のような作品になりました。

 

ーーブログを冊子にしようと思ったきっかけは何でしょうか。

Twitterで仲良くしている方に、文学フリマというイベントがあることを教えていただきました。最初は買う側として行ったのですが、思っていた以上にたくさんの方が出店されていて、レベルも高くてわくわくしましたね。そして、参加しているうちに出す側になりたいなと思うようになり、大阪の第4回文学フリマから出店者側として参加した次第です。

 

ーーこれまでに出された作品は何作ほどありますか。

短編よりも短い作品を集めた掌編集『悲しくはない』『箱の中で私は』2冊出しています。
それ以外には、色んな人に声を掛けて作った『ここから出して神様』というアンソロジーがあります。小説や短歌、現代詩や漫画、写真も載せています。これは、活字にとどまらないアンソロジーというコンセプトで作りました。
そして、『反省しない犬』。こちらは文章だけを集めた文芸誌となります。
他にも、『VERY BEST OF ANXIETY NEUROSIS BAND』『撮ったり詠んだり暮らしたり』という歌集も合わせて全部で6冊ですね。

 

ーーたくさん作られてますね。共作された冊子もいくつかありますがどこで出会った方々なのでしょうか。

Twitterの中で知り合って、「この人に書いてもらったら楽しそうだな」という人に声をかけています。ツイ廃と言われるほど使っているのですが、Twitterがなければこのような活動をしていなかったのではないかというくらい影響が大きいです。

 

ーー表紙デザインやレイアウトはどなたに頼まれているのでしょうか。

僕自身で作ることもありますし、同業の仲の良いデザイナーさんにレイアウトしていただくということもあります。また、Twitterで知り合った方に、表紙のイラストを描いていただくということもありますね。Twitter上にイラスト作品をアップされているのを見てお願いしたりしています。

 

ーー製本までの流れを教えていただけますか。

いつも予算があまりないので、最近は同人誌界隈の中でもリーズナブルで有名なちょ古っ都製本工房さんにお願いしています。

 

ーー初版の発行部数はいくつでしたか。

何部刷ったらいいかわからなかったのもあり、最初は100部擦りました。
文学フリマに出展後、余った分はTwitterで販売をしたり、知り合いに紹介していただいた本屋さんに置いていただいたりして、2,3年かけてようやく残り30部くらいまで減ってきましたね。今思うと、素人がいきなり100部というのは無茶だったなという気もします。

 

ーー1回のイベントで100部売り切るのは難しいですよね。製本でこだわった部分はございますか。

『悲しくはない』のときは印刷会社さんに行って、実際に紙を見せていただいたり、サンプルをいただいたりして選びました。

 

ーー完成前のイメージと、完成後のイメージにギャップが生まれたりしませんでしたか。

ありました。予算や印刷会社さんによっても違いますね。『VERY BEST OF ANXIETY NEUROSIS BAND』は、紙が思ったより厚くて、ページがめくりにくいといったこともあったので増刷する際は、紙を変えようと思っています。

 

ーー次回作の予定はございますか。

来年(2019年)一月にある文学フリマ京都に出店しようかなと思っています。新しいものを作るか、既刊の増刷といった形になるかはまだ決まっていません。

 

ーー最後に読者のみなさんに一言ください。

日々、生きて行くってしんどいなと思うことも多く、そういった思いを創作という形で昇華しています。そのため、暗い作品が多いと感じられるかもしれません。読んでくださった方には、男性女性問わず同じように、しんどいのは自分だけじゃないんだと思ってもらえたら嬉しいです。

 

ーー本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

 

著者プロフィール

「アイスコーヒー」マツ
アイスコーヒーはコピーライターのマツがひとりで切り盛りする文芸サークルです。
ひとりなのにサークルを名乗っているのは「書くことが好きな人と、流動的な、ゆるいつながりが生まれたらいいな」と考えているから。
バンドじゃなくて不定期ユニットみたいに、企画に応じて人が集まって、終わったら去っていく・・・みたいなのが理想です。
基本的には僕がネットで発表した散文や短歌を冊子にしていますが、文芸に関心がある方を誘ってアンソロジーなんかも作ってます。
文学フリマという文芸同人誌の即売イベントへの出店が活動の中心です。
モットーは「すぐ読めるけど、長くこころに残る作品を」。どうぞよろしくお願いします。

悲しくはない / マツ