本野ひかりプロフィール

ーー先ずはプロフィールからお願いします。
本野ひかりというペンネームで小説を書いています。 そしてごめんなさい、その他は秘密でお願いできますか。

 

ーーわかりました。大丈夫ですよ。ちなみに、秘密の理由とかは教えていただけますか。
はい。小説を読んでいただくときに、筆者のことが頭に浮かばないようにしてもらいたいなと思っています。文章だけに集中してほしいというか。全然有名でもないのにすみません。

 

ーーなるほど。純文学とかは、特に筆者の内面が現れやすいので、前情報があると登場人物に筆者の顔がちらつくことがありますね。
そうなんです。例えばどこどこ出身だから、この小説は描写にリアリティがあるという捉えられ方をしたときに、じゃあ他の作品はどうなんだ、リアリティに欠けるのかって気になってしまいます。考えすぎだとわかっているですが……これまでも、作品を読んで好きだなと思った作家さんのエッセイを読んだらちょっと苦手なタイプの方で他の作品を読めなくなったり……

 

ーーエッセイは特に作家さんの内面を知ることになりますよね。
はい、さっきからすみません、個人的な読書スタイルとして作品に集中したいということなので、エッセイそのものを否定する気はありません。

この表現は誰々さんっぽいなとかもありますよね。男性のセリフや仕草を読んだだけで筆者の名前と顔が頭に浮かぶような。そうなるにはもちろん著名な方で、何冊も作品を出しているからこそなのですが、私はそういうのを読むと、似たような登場人物が現れる他の作品のことが頭を過ぎってしまうんです。「あの作品の◯◯みたいな男の人だな」とか。そうなると、次にこんなことするだろうな、こんなセリフを言うだろうなと連想してしまい、その作品に100%集中できていないような気がして。

 

ーー想像が止まらないのですね(笑)出身とかパーソナルな情報はともかく、そうなってくると有名になればなるほどその人の個性やスタイルが確立されてきますよね。

はい(笑)
私のペンネームを見てもまだ誰も何もイメージできませんよね。これで私が本を何冊も書いて名前が広まっていったら読んでいただく方に弊害(作品の外でイメージが付くこと)が起きてしまうと思います。売れなかったとしても、例えばこのインタビューがきっかけで私の内面だけが広まったとしても同じです。

そうなった時に、どうしたらいいか。想像に過ぎませんが、ペンネームを変えながら、自分のスタイルも変えていくのかなと思っています。

 

ーーそうなるとこれまでのファンもいなくなってしまいますが。

無名だから言えるだけかもしれませんが。ファンをないがしろにしているということではなく、私が書くモチベーションに影響があるというか。こうして、こじんまり活動しているからこそ好きなように書けるだけで、専業の作家さんとしてやっていくのは難しい考え方だと思います。

 

ーー今回の「本屋と女の共犯関係」についてお聞かせいただけますか。

はい。こちらはPANKICHIさんというイラストレーターさんとの共作になります。文章を私が担当しました。
PANKICHIさんが個展を開く際に、そのイラストに文章をつけて小冊子にするということで制作が始まりました。ただ、少し変わってるのが、先にストーリーがあってからイラストが描かれていることです。なので、背景、プロットが出来てから、小説とイラストが並行して作られていきました。全体のプロデュースは、読書を広める活動をされているTHE読書ズさんがされています。

 

ーーイラスト1枚に対して1編が書かれているのですね。

個展のテーマが「京都の本屋さん」でした。実際にある8店舗のイラストと、そのお店に訪れているお客さんという設定になります。お客さんは女性という縛りですが、これはPANKICHIさんの作風に合わせてのことです。

 

ーーおすすめの作品はどれでしょうか。

どれもおすすめですと言いたいですが、そうはいきませんよね(笑)
思い入れが強いのは『絵本ちゃん – タイムトラベル・ファンタジー』ですね。これは東日本大震災がテーマになっています。京丹波にある絵本屋さんが舞台なのですが、実際にこちらの店長さんが東日本大震災の復興活動も積極的に行われていて熱い想いを持った方なんです。取材した際にそのお話も聞かせていただき、私もあの地震をきっかけにこれまでの考え方が変わった部分もあったので感情を込めて書いた作品になります。

ーーこのコンセプトは面白いと思いますが、次回作などは作られますか。

このコンセプトを使って、他の本屋さんや、別のお店、例えばライブハウスやカフェなんかでも書けそうですね。ただ、イラスト要素が強いので、私一人だとどうでしょうかね。PANKICHIさん、THE読書ズさんも含めての話になってくるかと思いますが、今の所は予定はありません。

 

ーー本野さんご自身の今後の活動としてはいかがですか。

今は少しずつ作品を書き溜めています。いつ冊子にするか、どこで発表するかは全然考えていません。もしかしたら、ペンネームが変わっているかもしれません。

 

ーー謎が多いですね(笑)それでは、読者に向けてコメントをいただけますか。

先ず、インタビューなのに秘密が多くてごめんなさい。
今回、『本屋と女の共犯関係』という作品に参加させてもらいましたが、これは私一人ではなくイラストレーターのPANKICHIさん、プロデューサーのTHE読書ズさんとの共作になります。いつもは一人で黙々と書いて、ほとんどの小説がまだ私のパソコンに眠っているのですが、こうして形になりました。なので、この作品では、イラストを見て想像を膨らませながら文章を読んでもらえると楽しめるのではと思っています。

 

ーー今回、強引にインタビューをお願いしてしまいすみませんでした(笑)お時間いただきありがとうございました。

こちらこそ、失礼なことを言ってしまったのではないかとドキドキしています(笑)
すごく楽しかったです、ありがとうございました。

▼著者プロフィール

本野ひかり
文筆家・小説家。雑誌、Webメディアにエッセイや短編小説を寄稿。
【作品一覧】 http://proto1.xsrv.jp/product-tag/

 

本屋と女の共犯関係