ーー先ずは自己紹介をお願いします。

THE読書ズと申します。読書文化を広めるための活動をしている集団です。
京都在住者を中心に、全部で15人ほど在籍しています。2016年の5月に結成しました。
メンバーは年齢・性別・職業もバラバラです。僕は短歌部門を担当しているブルです。

ーーブルさんよろしくお願いします。メンバーは15人”ほど”なんですね。

はい。5人からスタートしたのですが、意気投合した人に声を掛けたらどんどん増えていきました。

上限も定めていないし、会議で全員集まるといったこともしていないので正確な人数は把握しなくてもいいかなと思っています。顔出しOKのメンバー、NGのメンバーもいるのですが、各地で神出鬼没に読書ズを名乗っているので、SNSで名前は聞いたことあるけど何をやってる人たちかわからないって言われることも多いですね。

ーー加入条件はありますか?

細かい条件はありません。一番多いのは、メンバーが本好きの友人に声を掛けるパターンですね。また、本が好きでなくても、活動に興味を持ってくれたならOKです。

ーー本が好きじゃなくても入れるんですか。

はい。我々のメインターゲットは「読書習慣がない人」になります。読むと眠くなってしまう、何を読めばいいかわからない、昔は読んでいたけど最近は読まなくなった人たちに、どうすれば本を手にとって開いてもらえるかを考えています。なので、読書好きばかりが集まっては押し付けるようなアイデアに偏ってしまうのではないかと思っています。

ーー具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

読書会、書籍販売、トークショー、ワークショップ、ビブリオバトル、リトルプレスの制作等を企画・運営しています。

例えば読書会といっても、様々なパターンがあります。課題図書を指定し事前に読んできた参加者達で感想を共有するパターン、テーマに沿ったオススメの本を紹介するパターン。勉強会といった学びの場として開催されることもあれば、趣味の一環として読書好きが和気藹々と語り合うこともあり、全国各地で頻繁に行われています。

ーー読書会と聞くと本を読まない人からするとハードルが高そうな気がしますが。

そうだと思います。先ほども話したのですが、我々の目的は「読書習慣がない人」に読書をしてもらうことです。これまでは「読書会」と言えば、勉強会にしろ趣味の一環にしろ「本好き」が集まって開催されるものが多かったと思います。そういった集まりは実際に読み慣れてない人が行くと、周りの熱量についていけなかったり、そもそも課題図書を読んでから参加するといった条件が難しく感じられるのではないでしょうか。

そのため、出来るだけハードルを下げた内容の読書会を企画しています。これまでに開催したもので例を挙げると、「おみあい読書会」「漫画読書会」「捨てられない雑誌読書会」「妄想彼氏と妄想彼女」「しくじり作家、大先生」等があります。

ーーそれはすべて読書会なんですね。

はい。

おみあい読書会はおすすめの本を持ち寄った男女が集まって親交を深めるといった内容です。京都の古本屋さんが企画したイベントに読んでいただきました。持参した本や語り口調で、その人の内面が透けてみえるのではないかなと思って企画しました。

ーー参加者の反応はどうでしたか。

みなさん会話が盛り上がっていて楽しんでもらえたのではないでしょうか。会場は京都市の中心地にある町屋で、同じ建物内で古本の販売もしていたので空間の雰囲気も良かったです。、強制的な連絡交換やフィーリングカップルのようなマッチングタイムを設けなかったので、意中のお相手が見つかったかどうかはわかりません。そこはもう少し、読書会よりおみあいに比重を置いてもよかったかもしれないなと思っています。

ーー次回開催予定があれば私も参加してみたいです。

ぜひ!

ーーその他の読書会も気になるタイトルのものもありますが。

そうですね、タイトルだけだとわからないものも多いです。

先ほど挙げたもので、一番人気は漫画読書会です。これは漫画好きのメンバーが定期的に開催していて、毎回テーマを変えて実施しています。これまでに「笑ってはいけないギャグ漫画」「どちゃくそイケメン選手権」といったものをしています。会場も京都ならではの場所、お寺とかを使用することもあり、御茶請けも出たりと毎回大盛り上がりです。

ーー漫画もそうですし、雑誌の読書会というのもあるんですね。

そうなんです。読書ズは漫画も雑誌でも読書と捉えています。今、本が売れない、本が読まれないことの一番の理由な何かと考えたときに、「Webメディア」「動画コンテンツ」「スマホ」の普及ではないかと思っています。

124時間ある中で、これまで読書をしていた時間が、今は他のコンテンツに奪われてしまいました。通勤時間、就寝前、気分転換。今まで、忙しい方でも隙間時間で読書をされてきた人もいましたが、今では電車でも本を開いてる人は少なくなってしまいましたね。先ずは”本を持ち歩く・本を開くという行為を今一度やってもらうところから広めたいと思っています。

ーー開く、持ち歩くということですが、電子書籍についてはどう考えていますか。

電子書籍も立派な書籍ですね。紙の方がいいという意見もわかりますし、電子書籍の方が便利な面も実際たくさんあります。そこはどちらかではなく共存可能だと思います。とはいえ残念なことに、スマホを開いているからといって電子書籍を読んでいる人はそう多くありません。徐々に市場は広がっているようですが、紙に取って代わるほど急激に伸びていくには至っていません。

ーー読書人口が増えた先には何がありますか。

出版社や本屋の経営が安定して、文章を書く職業が専業として成り立つこと。それによって、魅力的な作品が生まれると思っています。

現在では、執筆のみで食べていける専業の作家(小説家・文筆家)は少なくなっています。それでは作家を目指す人も減ってしまうので、自然と作品のクオリティも下がっていくと思っています。例えとしてよくスポーツを出すのですが、競技人口が多いスポーツはレベルも高いですよね。それと同じで、執筆のみで食べていくことを目指す人口が増えることが大事だと思っています。

そういった意味でも、僕たちが行なっている活動がきっかけで読書好きになり、自分が書く側になりたいと思う人が現れたら嬉しいです。

ーー読書ズとしてイベントだけでなく、本も作られていますよね。

はい。これまでに作ったのは、青空文庫に公開されている作品をオリジナルデザインで製本した読書ズ文庫、またプロデュース作として1冊、我々の作品として1冊です。今回、読書ズ名義でこちらで販売いただくのは後者の1冊で雑誌の体裁をしている『季刊 読書ズ 〜テーマ焼き芋〜』になります。

焼き芋をテーマに読書ズの各メンバーが自由にノンフィクションなり、小説なり、写真なりで表現をしています。

ーー作ろうとなったきっかけは何でしょうか。

楽しそうなので作ってみようくらいの軽い気持ちですね。そして、読書ズの名前が広まることになればいいなと。

ーー初版は何部ですか。

100部作りました。かなり売れ残っています(笑)
本の販促イベントに出店したり、自分たちでイベントを企画することも多いので販路はたくさんあるし100部くらいなら売れるかなと思っていました。

ーーイベントでは全然売れないんですか。

内容については……もちろん自信はあるのですが。
言い訳になりますが、あまり販促に熱心じゃなかったというのもあると思っています。
それは、在庫を持っている僕の怠慢が一番の原因で、イベントの現場に持って行かなかったり、ネット販売もしていないので、そもそも買う機会・場がほぼありません。
それじゃいけないとぼんやり思い続けていたタイミングで、今回こちらのサイトで販売させていただくことは本当にありがたいです。

ーー具体的な内容についてお話いただけますか。

はい。先ず”季刊”とついているのですがこれを出したのは2017年の1月です。文学フリマ京都に間に合えばいいなというスケジュールでした。なのでこれは冬号という位置付けですね。

続巻がないので季刊とは言えないのですが……冬号という位置付けの元、作ったのでテーマを冬っぽいもの。では焼き芋にしてみようということで、あまり深く考えずに決まりました。

読書ズのメンバーには、Webデザイナー、イラストレーター、エンジニア、カメラマンといったクリエイティブな仕事をしている者も多いので、制作はスムーズに行きました。

ーーおすすめはありますか。
頭に収録している「ヤキイモ」はすごく面白いです。
「ヤキイモ」という小説を書いた架空の外国人作家へのインタビュー、という体裁を取っています。
文章が変に脚色されておらず、この小説と作家が存在するかのようなリアルな記事になっています。芸人さんのコントで、ボケているけど真顔みたいなテンションで、とてもシュールな作品だと思います。
原稿が届いた時に、これはやられた!そのアイデアもらいたいと思いました(笑)

ーーその他に見所があれば。
表紙のデザインは作家の白崎夏子先生に描いていただきました。
神々しく光を放つ焼き芋。これは必見ですね!

ーー次の作品を出す予定はございますか。
先ずは「季刊 読書ズ 〜焼き芋〜」の販売に力を入れなければいけません。
内容は面白いので、こうしたネットで紹介いただいたり、リアルで手に取ってもらう機会を増やしていきます。そして、在庫がある程度減ってきた時に次の作品を考えるかもしれません。

ーー最後に読者に向けてコメントをいただけますか。

活動の話が多くなってしまいましたが、季刊 読書ズは読書文化を広めたいと思っているメンバーたちで作った1冊です。この本を読んでいただければそれに勝る喜びはありません。

ーー本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

 

▼著者プロフィール

THE読書ズ
2016年5月に読書人口を増やすべく結成された読書普及集団「THE読書ズ」。
京都在住者を中心に、東京・大阪・兵庫・和歌山といった各地にメンバーが散らばっており、現在は15名くらいまで増殖。
読書系のイベントや、書籍販売等、本にまつわることなら何でもやっていくスタイル。
【作品一覧】 http://proto1.xsrv.jp/product-tag/THE読書ズ/

 

季刊 THE読書ズ 特集「焼き芋」